昔、昔、その昔

昔の話を聞いたり、しゃべったりするのが好きだ。大体人は昔に生きている、などと思っている。過去の話をすると、軽蔑されたりする風潮があるけれど、いいじゃないの、過去の話。聞きたいものだと思うのだ。昔、祖父や祖母から聞いた関東大震災の話。両親から時々聞いた、東京の空襲や疎開の話は、今も鮮明に覚えている。
昔の自慢話も聞いていて、不快ではない。その人のことがわかる気がするからだ。
稽古場で、坂田純子さんが、戦争の生々しい記憶を話す。こういう話は本当に貴重で、いずれ皆いなくなり、聞きたくても聞けなくなってしまう。今回の芝居、壊れていく、母の記憶が少し書かれている。聞きたいと思う息子の苛立ちも書いた。昔、昔、その昔とセリフにある。記憶は美化され、装飾される、と、だれかが言っているが、精一杯、美化された記憶だって、聞きたいときもあるのだ。
稽古場で、9人の俳優たちが格闘している。20年前に、やったメンバーたちもいて、過去と現在が、混濁し不思議な気分になることがある。後20年もすれば・・もう、このメンバーは・・などと思うと、今のこの時間が、やけに貴重な気がする。
昨日は稽古場で、少しばかりの誕生会。5月生まれが3人いて、ちょっと盛り上ったわけです。ほぼ、ざっとだが、通してみると、見えてくることがある。朝から晩まで芝居に漬かる日々が続いています。

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