牧野富太郎

植物学者として知られる牧野富太郎のことを調べている。様々な本を読んで天才とはこういう人のことを言うのだと思う。破天荒、常識では考えられないようなことをやっている。

山にこもり命がけの植物採集。実際に植物に触れることによってしか得られない知識を持つ。物心つく前に両親を亡くしている。きっと草花が心のよりどころだったのだろう。草と話し、草に包まれた幼少時。私は草の精と言ったが大げさなことではない、心からのものだったような気がする。ジョンレノンも早くに両親と別れ心のよりどころを音楽にした。こういう環境が天才を生むのかもしれない。

雑草という草はないという有名な言葉があるが、私は昭和天皇の言葉だと思っていた。昭和天皇は終生、牧野氏の植物図鑑を手放さなかったそうだ。手書きの細密画を見ただけで圧倒される。ディフオルメされていない。植物そのものの姿を丁寧に、植物からの伝言のように描いている。これを見ると植物の精と言っていることが納得される。小学校しか行っていない学歴で東大の研究室に入り、長い間講師をやり、80歳に近いころ博士となる。波乱の人生だが、子供のころからただ真っすぐ好きな道だけを歩いてきたことは驚愕するが。そこが天才なのだろう。ものすごい借金の山だったらしいが。牧野氏はなんと貸した方が悪いとまで言って、一歩も引かず研究をつづけたのだ。毎日93歳まで深夜まで仕事をしていたという。もう植物から生かされ、植物から何かを頼まれていたのかもしれない。

そんな感じさえする。奥さんのさえこさんは 13人の子を産み悪戦苦闘の末55歳で亡くなっている。この奥さんのことなどをもう少し考え、戯曲にしようと考えている。

べっかんこおにの公演が三軒茶屋で終わった。次回東京工芸大学、風の谷絵本館、久喜市、そして年末には新潟県上越での公演が決まっている。国外での公演も模索している。

暑い夏、演劇のことを考えている。演劇を進めている。稽古場の問題。劇場の問題。社会とのつながりの問題。社会にどのように貢献できるのか、そこが勝負だと思っている。もはや演劇はインテリたちから解放されなければならないと思っているのだ。出発進行である。

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