就職というようなこと

妻がたまたま知り合った、国立大学の男の子が手伝いに来ている。彼は現在就職活動中。稽古中も時には背広をきちんと着て、やって来たりする。私の息子も就職には苦労したようで、あんな経験はしたくないと言っていた。いったいどうして、断られるのか。皆目解らない・・ということを繰り返すらしい。彼もそうで、苦い思いを胸に抱えている。人生の出発の試練だ。俳優仲間に就職活動の話をすると、たいていはそういう経験がない。私などは、ろくに学校も行っていないので、就職などとは、最初から考えなかったが、大体、演劇などをやってる奴は案外に、高学歴が多く、それも。六大学だったり、国立の大学だったりする。それが、よりによって、演劇とは、などと、私などは思ってしまう。さぞかし親が、なんてことを思うのだ。もう十年ほど前、私のところに、富士フィルムに勤めていて、フィルムの必要性の減少から左遷され、結局退職したという男がやってきたことがあった。彼は最初に「初任給はいくらでしょうか?」と聞いてきた。・・・演劇の世界に、初任給などという概念はない。ありませんよ、というと、では、どうやって暮らすのかと、途方にくれていた。まあ、ここで書けば色々と思いつくが、いきなり、最初から、給料はない。のが、マアこの世界。とすれば、何もわからない、ただ、学校だけ出た人間に給料を出す、企業だって、それは、相当に慎重になるだろうと思うのだ。うちにやって来た彼も、凄く真面目で、真面目すぎるのが欠点ではないかと思うくらいだ。彼の活躍もあって、吉祥寺の稽古終了した。今日から下北沢。小劇場に入って、場当たり。明日はゲネプロ。そして本番となる。笑う犬、明日からの本番。ぜひいらしてくださいませ。

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