昆虫食

長野、新潟と「べっかんこおに」を上演しながら旅をした。長野は信濃大町の麻倉。旅館の人に店を紹介してもらったが、そこが休み。
結局、探して地元の猥雑な店に入った。ふき味噌がお通しで出る。これがめっぽう美味い。フキのてんぷらを頼むと、大皿にこれでもかの量。美味いのだが食べ切れそうもないので、カウンターの若いカップルにおすそ分けしたら、隣のおっさんが、これも食えと進めてくれたのが、昆虫の佃煮。蜂の子、ざざ虫、繭の蛹。ざざ虫と繭の蛹は初めて食べたが、これがなかなかいけるのだ。長野は昆虫食のメッカなのだそうだ。海のない県。昆虫でたんぱく質を補ったのだろうか。昔祖母が近所で捕ったいなごを佃煮にして出したりしていたので、昆虫を食うことに抵抗がない。セミは食べたことがないが、きっと美味いだろうという気がする。人類はいずれ昆虫を主食にする。などという説もある、というか私はそう思ったりするのだ。昆虫が好きで今でも本気で昆虫を追いかけて野山を駆け巡りたいという願望がある。今、新潟の板倉地区でワークショップをやったりするが、自然の色が濃く。昆虫も多様のような気がする。田圃があるのでトンボが多い。
というわけで、新潟で演劇を考えている。結構本気でやろうかと思うのだ。最初はさねとうあきらの作品から入って。小松幹生や清水邦夫。チェーホフなどもやろうなどと考えている。
都会の猥雑さもいいのだが、ややマンネリという気がするのだ。自分の中だけではなく、広く演劇の世界の中で、ややマンネリなのだ。社会の中で都会がマンネリなのかもしれない。
新たな試みを山から始める。そのほうが新しいような気もする。お客さんは最初10人でもいい。やがては千人の人が、やや辺鄙な村にやってきて演劇を見る。というようなことを、鈴木忠治氏は実践してきたわけだ。真似してやるには遅すぎるのだが、鈴木さんたちとは質の違うアプローチを模索したいなどと考えているのですよ。で、昆虫を食べたり、蛇を食ったりしながら考える演劇もいいのでは・・・・なんてね。6月7日~18日まで、赤坂のレッドシアターという、まあ都会のど真ん中の劇場で劇団道学先生というところの20周年記念公演に出演する。競演する人たちは皆達者な魅力的な人たちです。ぜひ足をお運びくださいませ。季節は変わって、もう早初夏の匂い。昆虫たちが活動を開始しました。

Follow me!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次