祭りの季節

祭りの頃になると、色々なことを思い出す。三軒茶屋は2の日6の日が縁日で賑わった。祭りや縁日は、なんといったって、女の子と偶然会う。なんてことが楽しみでもあった。安いブリキの指輪を当時好きあっていた女の子と買って、その指輪をはめたまま、何年も過ぎて、成長期でもあったのだろう、指輪が抜けなくなって、なにか機械のようなものの力を借りて。切った、なんてことを思い出す。その子とは15歳以来会っていないが・・どこで、どうして、どんな婆さんに、なんてことを時々思い出すのだ。近所のラーメン屋に入って「おう、弘ぼう、〔子供の頃そう呼ばれていた)元気そうだな」などと、ちょっと年上の人に会ったりするのもこの季節。ラーメン代、さりげなく払ってくれたりする。60を過ぎても子供の頃の先輩と後輩の関係は続く。携帯電話の時代だけれど、偶然会ったりする、うれしさ、ときめきは・・今の子供たちはどうなんだろうか・・渋谷辺りの街角で、偶然会って、そのまま男と女の関係になって、数十日、なんてことがあったが・・偶然出会ったり、なんてとは、今の時代少ないのかもしれないな。そんな、偶然の出会いとときめきなんてことが、いまやっている清水邦夫の芝居の中に込められている。偶然、地方都市の小さな食堂で出会った男たちは、一晩のささやかな冒険をするのだ・・牧歌的とも思える、男と女の物語。稽古場は熱を帯びてきた。もう少しで、通しの稽古が出来そうで、舞踏家の伊藤キムさんも少しだが関わってくれている。秋祭りの季節。日々すごしやすく、空高くなり。気持ちも穏やかになる。
初日まで、ひと踏ん張りだ。

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