夏休み

私の二人の子供たちを見ていて、夏休みの事を思い出す。あっという間に過ぎていく夏休み。まあ、人生と同じでしょうか。宿題も一日延ばしにしているうちに、残り一週間なんてことになったものだ。
どういうわけだか、楽しい思い出ばかり。小学生の頃がまあ、人生で幸せな時期だったのかもしれないね。夏休みだというのに、毎日のように学校に通って、へちまを育てたことがある。これは新しい学期が始まって校長に褒められた。
それも、全校集会のときだったので、人は見ているものだと感心もしたのだった。必ず海にも行った、葉山の森戸海岸と決まっていた。真鶴にもよく行った。それから奥多摩。当時会社をやっていたので従業員皆集まっての旅行。トラックに皆乗り込んで、ほとんど裸で、幌のついたトラックの荷台に乗り込んでの旅行だが、これが楽しみでもあったのだ。泊まりももちろんトラック。テントなどというものもなかったのだと思う。昭和30年代の話だ。それでも、そうやって、そろってどこかに行けるなどというのは相当に恵まれていたように思う。そういう時代だったのだ。今の子供たちは外国に行ったりして、恵まれているけれど。中小企業の、家族も従業員もごった煮で出かける、あの、何ともいえない、繋がり、関係は近頃は見かけない。大人と子供が対等に、ごちゃごちゃ遊ぶ、そういう光景が見られないという気がする。大人はあくまでも子供の付添いのような関係だ。大人も子供も楽しむ。大人ビール飲んで、海ではもぐったり、釣りをしたり、子供も大人に交じって遊ぶ。なんてのが理想のような気がするんだけどね。で、うちは、芝居をやってる関係で、ここのところはそれが絡んで、何日か出かけることが多い。去年は長野に10日間ほど、安い一軒家を借りて過ごした。
今年は福島の喜多方で一週間ほど滞在する。一人芝居「べっかんこおに」の上演が主な目的だが、子供たちも手伝うというコンセプトでつれていくのだ。というわけの大人も子供も混ざっての夏休み。まあ、うちの事情もあるんだけれど。
夏休み。なんだか、今でも時々、夏休みが続いているような気がすることがある。のんきなこと言うなと言われそうだが・・ふと、そんな気分になることがあるのだ。すぐに終わってしまった夏休みだが、続いていると思うと、長い夏休みということになる。汗をかいて、補虫網もって、近所の路地をうろうろしていた自分と、今の自分が、ふとした瞬間につながったりする。今日は夕方から花火だなどと考えて、胸がときめいていた頃の自分と、今が時折つながる。まあ、きっと、小さな子供がいるせいなのかもしれない。二人とも男だし、黒く日焼けした痩せた肩の骨に流れる汗を見ていると、時間の流れの奇妙さを思う。ジワジワと鳴く蝉の声を聴いていると、家でごろちゃらしている気になれないで、自転車にまたがって、当てもなくうろうろと、街中を徘徊する。コンビニの冷房の中に立って、ああ、あの頃は、用もないのに銀行に入って、店頭の丸い販売機のやけに甘ったるい無料のオレンジジュースを飲んだものだなどと思いだす。カウンターにいたきれいな姉ちゃんの顔まで浮かんできて・・50年も前の夏休みが目の前に現れたりするのです。今年の夏はひどく熱い。昭和30年代の夏もやっぱり、熱かった。道路に陽炎が現れた。今年の夏も道に、モワっと陽炎が見えるような気がする。
夏休みは始まったばかり。しばらく世間も、夏休みのムード漂って、まあ、私にとっては、何とも過ごしやすい時節なのです。

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