過去の栄光

近頃、上の子がなかなか面白いというか、中学1年になって生意気になってきた。映画も字幕で見るしね。最近仕事が多い。といっても、短いセリフのワンシ―ンなんてことが多いのだけれど。
上の子が「最近仕事多いね」と言うので「いや、昔もっとあった時もあったんだよ」というと二ヤリと笑って「過去の栄光ってやつですか」と言いやがった。まあ、過去の自慢をするようになったらおしまい、を自分の息子に言われたわけですね。過去の栄光、過去の悲惨。どちらも言えない。となると、やっぱりさびしいのではないかと思うのだ。過去の話が私は好きで、特に年寄りから、まあ、私も年寄りということだけどね。戦争の話とかね聞くのはやっぱり大事で、戦争の楽しい話なんてのも、私はじかに聞いたことがある。日本は負けたから、悲惨な話ばかりクローズアップされるけれど、飛行機乗りの腕前の自慢なんてのは聞いていてわくわくしたものだ。自慢話は聞いていて癒されるというか、私は好きなのだ。この人のこんな時間に思いがいく。まあ、だから過去の栄光じゃんじゃんしゃべってもらいたいものなのだ。と言っても、うちの子供はけっこうシビアな野郎なので、うっかりした自慢はできないと胆に命じているわけです。さて、明日から、福島県の喜多方演劇祭で「べっかんこおに」を演じます。喜多方。もう30年も前になるか、中上健二氏や山口正夫氏などと富山から喜多方を巡ったことがある。すごい人たちと行ったので、よく覚えている。まあ、これも過去の自慢かね。文学者と文化人類学者とで一緒で、写真まで、二人とももうこの世にはいない。中上健二さんが、車を運転しているくせにパンクも直せないやつがいる、と、まあ、誰かの批判をそんな比喩で言っていたのを思い出す。そのとき同行した何人かはいまだに交流がある。人生でちょっと苦しい時期でもあって、そんなときの喜多方。朝6時からやっていた坂内ラーメンのたたずまいは忘れがたいのだ。何日か滞在するので、坂内にも行こうと思っている。息子が、え?中上健二さんと知り合いだったの、などと驚く日はくるのだろうか。

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