下心という言葉がある。悪い意味で使われる。けれど、私は下心が悪いとは思わない。日本は下心の社会だと思っている。大学に行くのは勉強や研究をする為と いうのは建前で別の下心があって行く人もいる。ある劇場の近くの居酒屋のおばさんから聞いた話だが、いつも、ある演出家の稽古に差し入れを送っていたのだ そうだ。ところがある日「あなた、店に来て欲しいからこんなことするんでしょう」と嫌な言い方をされたそうだ。それ以来、劇場への差し入れは出来なくなっ たと言う。店に来て欲しいから差し入れをする。当たり前だと思うのだ。それを見抜く必要があるのだろうかと思う。もちろん不器用なやり方だと思う。もっと スマートにやる人もいるし、居酒屋だから味で勝負すればいいという考えもある、けれど、その不器用さは私は嫌いではない。店に来て欲しいから・・と言った 演出家の演出はやけにスマートでゴツゴツした臭みがないのは、きっと不器用とか愚かとかを排除する思考からくるのだろうと思ったりするのだ。
2004 年 11 月 17 日 (水)
2013年3月6日
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