今,家では鈴虫がいい声で鳴いている。近所の肉屋(世田谷線、西太子堂駅近く。この店のコロッケとメンチとハムカツが私は好きなのです)で貰ってきたの だ。肉屋と鈴虫。まるで関係がない,と思うかもしれないが・・そう,関係はない。その肉屋のおじさんが大の鈴虫好きで、店先でリンリン鳴かせているので す。思い出して子供を連れて見に行ったら,分けてくれたというわけです。「こいつらはどんどん増えるから,可愛がってあげてね」「え、増えるんですか?」 「今月いっぱいぐらいは、鳴いてね、最後にオスはメスの餌になって、腹いっぱいになって卵を産むんだ、で、メスも死んで、来年6月頃に子供がたくさん生ま れる・・で、うちなんか何年も続いていて、ほら見てごらん」見れば、大きな箱の中には何百匹もの鈴虫。「こうやって育てていると愛着がわいちゃって」と、 奥さんも自分の子供を見るような視線・・貰ってきてその日の夕方にはリンリンと涼しげな、羽音を鳴らす。「鈴虫さ~ん」等とうちの子供も呼びかけたりして いるのだが・・なんだか、可哀想な男の運命。一生懸命にリンリンやって、パクリ食べられちゃう・・まあ、リンリンやってるときは無我の境地かもしれない し、うん、それはそれで、私たちも楽しませてもらってるわけだし、と芸能者の運命にも似てなどと思ってしまうのです。
さて稽古が始まりました。三島由紀夫とチェーホフとイノヤマランドとちょっと小松幹生と喜一朗とで男達のリンリンリンを作り始めたところです。
2004 年 9 月 7 日 (水)
2013年3月6日
コメント