岡本芳一氏の人形芝居「ひとがた」を下北沢のシネマ下北沢で見た。15年程前に長野県の伊那でやったアジア一人劇祭で見て、アトリエを見せてもらって、そ れ以来の観劇だった。公演後のトークで人形に思いを入れすぎるとダメで、できるだけ空っぽにする、と言う言葉はそのまま、俳優の演技に通じる。岡本氏と人 形が微妙に絡み合った舞台は独特の空間を作りだす。人形をリヤカーに積んで全国を回ったという、岡本氏の迫力が人形に乗り移っている、と書くと、なんだか ドロドロした情念と思うだろうが、奇妙な透明感がある。前回見たときは女の恐ろしさを思ったが、今回は母親の事を思い出した。「見る人の気持ちが人形に移 るんです」岡本氏が言っていたが、こちらの気持ちの変化なのかもしれない、いや、岡本さんの変化でもあるのかもしれない。15年前とは違った雰囲気になっ ていた。こういう舞台を観ると気持ちが緩やかになる。一つことにこだわって、コツコツと進んでいく事が、窮屈な事ではないのだと、改めて思うのだ。
2006 年 2 月 16 日 (木)
2013年3月7日
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