土蜘蛛というのを知っているだろうか?古い家の軒下や古木の幹などに巣を作り、土の中に巣は繋がって、そっと引っ張ると、巣の中の土中の蜘蛛が現れる。な かなか大きなのもいて、子供の頃、引っ張り出したりすると、ワクワクしたものだ。我が家は古い家で、土もある。土蜘蛛が巣を作っていた。子供に見せてやろ うと思い、引っ張ったが失敗。蜘蛛が現れる前に途中で千切れてしまった。家の近所は、まだ土が残っている。子供と一緒に、土蜘蛛探しに・・ある、古い家の 前、道路と繋がった私道のようなところで、探していたら、突然男の声「何、人の家にはいってるんだ、出て行け!」「あ、すいません・・」ここまでは、普通 のことだった。「ここは坪二百万するんだ!なにやってるんだ!」思わず、え?なのだ「だから何?」口から出てしまう。大体、入ってはいけないと看板が出て いるわけでもない。人の家と判断するのが難しいような境界線のような場所。子供の頃、そこで遊んだ覚えもある。入るなというのまでは、納得できたが。坪二 百万円の言葉にむっとする。じゃあ、坪一万円のところならいいのか、と言いたくなってくる。ふと、息子の顔を見ると、小心なわが息子。眉毛を八の字にし て、困り顔。こっちが悪いので、すいません・・と退散したが・・怒るのはいいとしても、坪二百万は余計だ。一体なんでそんなことを言ったのだろう。後で思 えば、そこだけポツンと残っているような、異空間のような場所。その私道には私が子供の頃使っていた、石で出来て、木の蓋のついたゴミ箱が今もそのまま使 われている。きっと、不動産の関係で、嫌なことが続いたのだろう。そんなことが、二百万円の言葉になったのだろうと思う。土蜘蛛探しに歩けば、きっとこん な風景に出会うことになるのだろう・・地中深くに生息する蜘蛛と、古い家と人・・なんだか、星新一のショートストーリーが一遍出来そうな出来事でもあっ た。
2007 年 6 月 7 日 (木)
2013年3月7日
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