突然思いついて、埼玉の安行で居酒屋をやっている、古い友人を訪ねた。小学校からの友人で、彼から色々な影響を受けた。ボクシングも彼から教わった。彼は 東洋ランキングのボクサーにまでなった。下北沢の金子ジムだ。突然店のドアを開けると、開店前の支度をやっていた。おう!と少し驚いた顔をした。会うのは 十年ぶりだろうか、店には初めて顔を出した。いちろーくんという店の名前「何で又いちろーくんなんだ」聞けば、やってる奴がおっかないから、店の名前は可 愛くな、と笑った。彼はもちろん、いちろーという名前ではない。前の日に風が強く、外の旗を仕舞っていたのを、がさごそと店の外に取り付けている。手伝う と「いいよ。お前は、どうせ不器用なんだから・・こういうことが出来ないと、焼き鳥やはできないぞ」説教がましく言う。昔のままだ・・カウンターに座っ て、近況と昔の話「お前のお袋と、うちのお袋と4人で、夏の暑い日に、あれは誰だったかなあ・・殴った奴の家に謝りに行ったことがあったなあ、覚えてる か」「覚えてるよ、すいかを2個持ってな」・・子供の頃、十代の頃の話をする。「ワイルドワンズの思い出の渚やったなあ・・」「三万五千円のドラムセット を中学で買ったんだからたいしたもんだ」「牛乳配達やってな・・」そんな話をとめどなくする。彼は相変わらずチャーミングだ。女にもてた「鈴木、女はいる のか?」「いや、まあ、ぼちぼちだ・・」見栄を張った。話しているうちに、関係はそのまま昔に戻る。お互いに影響しあって、意識して、負けまいとやってい たあの頃が、昨日のように甦る。家から行けば、1時間もかからない距離なのに、十年も会わなかった・・今度会うのはいつだろう・・そんなことを思って店を 出た「今日はよかったよ・・」別れ際に、ちょっと照れくさそうにそう言っていた。行ってよかった。今やっている一人芝居・・時々彼のことを思うのだ・・元 ボクサーの彼の店に、さりげなく、明日のジョーのポスターが張ってあった。
2009 年 10 月 29 日 (木)
2013年3月7日
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