昭和27年5月19日に私は生まれたことになっている。 64歳になった。 この日はどうやら特別な日で昭和27年5月19日生まれの人間が 私の周り同級生だけでも5人はいる。
この日ボクシングの白井義男が後楽園球場でダドマリノを判定で破 り、日本人初の世界チャンピオンが誕生したのだ。 因みにこの日はボクシングの日に指定されてもいる。
今では想像できないが、日本中が熱狂した日でもあったのだ。 敗戦からようやく立ち上がり、日本人初の世界チャンピオン。 どれほど日本人を勇気づけたことか。つまり、 この日の前後に生まれた人はみな5月19日にしたのではないかと 想像される。めでたい、 記念日のような日に男の子の誕生日に合わせたという気持ちはわか らないでもない。
それから、又日過ぎて、 昭和30年代半ばにファイティング原田というヒーローが誕生する 。 彼の最初のタイトルマッチのテレビ視聴率は80パーセントを超え たというから、ものすごい。相手のエデル・ ジョフレは無敗の王者で原田に勝ち目はないと思われたが、 見事に勝利した。もう一試合やるが、 またしても原田が勝利している。ジョフレは生涯、 この二敗しかしていないということだ。
ということで、私もボクシングに夢中になったわけだ。今回、 初めての小説「ファイティング40(フォーティー) ママはチャンピオン」もボクシング小説といってもいい。まあ、 生まれた日の因果か、などと思ったりもするけれど、 小学校から親しくしていたライバルのような男がボクシングをやっ ていてその影響だったと思う。
小説が出るからといって、浮かれているかというと、逆で、 売れなかったらどうしようか、などと心配が募る。 担当の編集者氏は泰然自若なのだが、 本の営業の仕事もやったことがあり、 一冊の本が売れるなどというのはいかに大変かは身をもって知って いる。と、やきもきしてもしかたがないのですが・・・・。で、 次の作品を書いている。カラスがしゃべる話だ。 中年男と高校生の女の子とカラスの物語。 三分の一くらい書けたがなかなか進まない。で、家で仕事だが、 先日新潮社倶楽部という作家が籠もる旅館のような施設で直しをや った。ここは開高健さんが六ヶ月こもって仕事をしたとか、 作家先生が仕事をするところで、 なんだか本の神様が降りてくるような錯覚すら覚えるような、 環境のいい空間で、こんな場所で仕事すればなどと思うが、まあ、 私にはもったいないような空間ではありました。
さて、世田谷学校なる演技の学校も始まりました。 なかなかいいメンバーがそろったような気がします。 新たな演劇のスタイルをこの学校から見つけ出す気持ちで臨んでい こうと考えています。
そろそろ梅雨がはじまり、すぐに夏になるのでしょう。 好きな季節なので、夏が待ちどうしいような・・・・。64歳。 になったから何がどうというわけでもないのですが、まあ、 ジジイになっているわけで、酒を控え、少しは体のことも考えた、 日常を、などと殊勝に思ったりはするのですが、飲まなければ、 食うという悪循環ですが、 まあ楽しみがなければ何のためにという気分にもなるので、 そこは緩やかに穏やかに日常をやり過ごそうと64歳はおもってい るのです。
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