2003 年 12 月 31 日 (水)

演技について考える時、最初の問題が「声」ということになるような気がします。声を出さない演技、演劇はまあ、特別の場合を除いて無いと言っていいと思い ます。私は最近,中学生や若い人たちと仕事をすることがあります。皆、演技をやりたい、演劇を体験したいという人たちです。所が大抵の場合、声に問題があ る。簡単に言えば声が出ない。普段日常生活で声を出して生活しているはずなのに、芝居をやってみると声が思っている以上に出ない。では、芝居の声とはなん でしょう?私が芝居を始めた頃、声の問題も色々と模索されていた時代だったような気がします。最初に参加した蜷川さんの芝居の時も「バカヤロー」と人を罵 倒する時に、何でそんな良い声で言うんだ!と怒られている俳優さんがいました。新劇でみっちり訓練をした,中堅どころの俳優さんです。いい声でしゃべる事 が気持ち悪い、と言う風潮があって、まあそのことが古い新劇に対するアンチでもあったわけです。結果若い俳優たちは、舞台で怒鳴りまくり、声を潰し、何を 言っているのか分からないという有様。私もご多分に漏れず、怒鳴って相手役としゃべっているうちに、相手役の顔が真っ赤に血に染まってくる。何か怪我でも したのかと思っていたら、なんと,私の声帯が切れて血飛沫が飛んでいたのでした。そんな、乱暴なことを繰り返しているうちに少しずつ「声」を手に入れたわ けです。声は演劇にとって重要なはずなのに、特別に声の訓練をする方法論が実は定着していないのが現状です。腹式で声を出すことは分かっている。けれど、 声にこだわりすぎると、演技や演劇にとって重要な何かが抜け落ちてしまう。その重要なことと声の訓練がうまくリンクしないのです。声なんかどうでもいい、 やらなければならないことがその前にあるのではないか、そんな風に思ってしまう。けれど、声は大事です。最初に声があると言ってもいいくらいです。歌う事 を仕事にしている人は、大抵演技ができる。声に対して意識的だからかもしれません。演劇の内容と声。声の問題を考える。そのことが何か重要な課題になるの かもしれません。
今年も今日で終わりです。良い年をお迎えください。なんだかとりとめもない呟きになってしまった大晦日です。結論の出ない演技、演劇についてですが,もう少し続けてみようと思っています。

Follow me!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次