2003 年 12 月 25 日 (火)

あっという間に,今年も過ぎていきます。早いですねえ・・さて、今回から、何回になるのか見当がつきませんが、私なりの、芝居について、演技についてを少し書いてみようかと思います。
私達の劇団は新劇でも、小劇場でもなく、アングラでもない。丁度旗揚げした頃、蜷川幸雄さんに師事していて、その蜷川さんが商業演劇を始めた時期でもあっ たわけです。ゴールデン街で仲良くなって、作った演劇なんて、あんな物,単なる泡だ!などと蜷川さんに言われ、割合真面目に酒も飲まず、芝居をやっていた わけです。「雨のワンマンカー」で旗揚げしたわけですが、この芝居はパニック物。本物のバスを水に浮かべるという、何とも乱暴な芝居。評判は良かったけれ ど、演技については、誰も何も考えないと言うような芝居でした。演技が出来ない俳優が十人。金を取るにはスペクタクル。だったわけですね。
その後「蜷川幸雄教室」を始めたわけですが、そこで学んだのは本質的なこと、つまり「真面目にやる」その一点だったような気がします。このことは実は演技 について考える時,大事なキーになるような気がします。さて、演技。色々なスタイルがあります。所がこれでいいということがない。つまり、これさえやって いれば,演技者になれるという。スタンダードというか・・目指す所が難しい。「どんな凄い戯曲だって、一人の絶世の美女の前には色あせるんだ」蜷川さんの 言葉です。生まれつき持っている特長。そのことが演技に於いては重要な意味を持ちます。では、とっとと諦めて特徴に身を委ねればいいのか?どんな美女だっ て何時間も見ていれば飽きる。でも、最初から美女でもなければ、怪物でもなく、どこにでもいる平均的日本人の私は、どんな事をやりながら演技を怪物たちと 拮抗させればよいのでしょう。
ということで、次回はもう少し踏み込んで、演技、演劇について書いていこうと思います。

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