2005 年 7 月 20 日 (水)

三軒茶屋に「どんぐり山荘」という小さな店がある。人が一人やっと通れるような急な階段を上ると、店内はまるで新宿のゴールデン街のような雰囲気。窓には 干し柿などが吊るされている。お通しはマスターのおまかせ。刺し身やフライがたっぷりと出る。氷は氷屋から仕入れて、自分でぶっかくこだわり氷。
半年ほど前「一功ちゃんにピッタリの役があるんだよ」と一冊の本を紹介してくれた。浅田次郎の「天切り松闇がたり」だった。「この役誰がいいかなと考えた んだよ。一功ちゃんしかいないよ。主役だよ」お世辞を言わないマスターの性分を知っているから嬉しかった。「これなんだけどね」と本を手渡された。読むと なるほど向いている役だという気がした。6月の終わりごろマスター行きつけの蕎麦やで会って「あの本返さなくちゃねえ」というと「やろうと思ってたんだ よ、とっとけよ」と言った。声が出にくいと言っていたマスターに「医者に行った方がいいぞ」というと「俺は医者が嫌いなんだよ」と江戸っ子の医者嫌いらし く、笑っていた。そのマスターが12日に亡くなっていた。もう、歯切れのいい江戸ッ子言葉を聞く事が出来ない。悲しくてやりきれない。

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