水と演劇

昨年、一般財団法人日水コン水インフラ財団の助成を受けて、アクアライフのタイトルで水をテーマに、岡山大学異分野基礎科学研究所の松本正和氏の「水の七不思議」の講演。NHKのラジオドラマで放送された、水に纏わる三つの物語を舞台劇として上演。

上演準備の為、奥多摩水と緑のふれあい館、東京都水の科学館、東京都水道歴史館を訪ね、水インフラの問題。古代から綿々と続く水と人間の関係。暮らしについて考えました。

 演劇の起源ははっきりとはしませんが、私は祈りから始まったと思っています。天災や病。私たちは戸惑いながら、今日まで生を繋げてきました。戸惑いながら、歌い踊り、奏で、語り、祈ったのだと思います。

 水は、人間の生にとって、欠かせないものです。水のない日常は考えられません。

演劇は非日常を映し出しますが。日常と繋がり、日常の細やかな生活に支えられています。

 水をテーマに、演劇を立ち上げ、様々な問題に突き当たります。世界の水の事情。水に取り囲まれた豊かな日本の有り様。過去と現在。水が私達の日常を支えていることを思い知ることになりました。

「水の駅」という優れた舞台があります。壊れた水道。蛇口から流れる細い水。そこにやってくる人々を、無言劇という形式で表現したもので。劇作家で演出家でもあった故太田省吾さんの作品です。人間の生の営みと、水の関係が緩やかな動きの中で表現され、見事な舞台空間を生み出しました。

 演劇は多様な芸術です。歌い、踊り、奏で、喋り、口論し、時には無言になったりします。もしかしたら、と、ふと思うことがあります。演劇は水に似ているのかもしれないと。時には暴れ水となって危険だけれど、なくてはならなく、必要です。水は人間の生にとって不可欠です。演劇芸術も。人間の生にとって、不可欠だと思います。私たちは、今年度も水と握手をし。水と関連した演劇を創ります。

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