仕事

私は15,16歳頃から働いている。中学校のときは牛乳配達。当時は貧しかったわけではなく、エレキギターがほしくてというのと、その頃親しくしていた友人が家の事情で牛乳配達をやっていたからだった。1本配ると2円だったか。100本で一日200円。一ヶ月6000円ほどになった。当時初任給が30000円の頃だから、悪くないアルバイトなわけだ。朝5時から7時くらいまで約2時間の労働だ。
中学を出るか出ないうちに、家業が倒産して、まあ、それでも学校には行けた蓄えもあったようだが、ともかく社会に出て学校の規則のようなことから逃げ出したかった新宿の地下街にあるアメリカンスタイルのレストランで皿洗いから働き始めた。皿を洗って合間にジャガイモの皮をむく。今でも皿洗いとジャガイモの皮ムキは得意な技の一つだ。その店は当時としては先端の店で、フライドポテト、ハンバーガー、ミルクシェイキ、などがあり、サブマリンサンドという、コッペパンの間に具をたくさん詰め込んだ、今では見かけるサンドだが当時としては珍しかったものが人気だった。
そのうちに、車の運転がやりたくなり、17歳の頃運送業の助手のような仕事について、そこで18歳になるとすぐに免許を取った。が、どうしたわけか、運転手を続けないで、又小さなレストランのようなところで店をまかされたりした。そうこうしているうちに、演劇学校にもぐりこみ、様々な仕事をしているはずなのだが・・・芝居を始めてからの仕事はほとんどが片手間もいいところなので、記憶は曖昧だ。
あるエロ出版社で営業のような仕事も何年かやったが、気持ちの置き所は芝居だったりするので、仕事の積み重ねのようにはなっていない。ただ、今回小説を出したときに、久しぶりに本屋さんをめぐったが、メジャーな出版社なので、門前払いなどという屈辱は味わわないですんだ。
まあ、俳優なんて仕事はやってないときは、フリーというか、ただの無職の人間になるわけです。だから、まあ、本質私は無職の人間かもしれないけれど・・・。時々、なにか安定的収入源なんてものがありはしないだろうか、などと夢想し。模索したりするのだが・・・もともと、安定とかというものを否定したような生き方をしてきたわけで、そりゃあ無理というものなのかもしれませんね。
で、まとまった金が必要になって、あれ?それくらいの金もなかったのか、などと途方にくれたりするのです。
なにか仕事を、などと、一ヶ月近く家でだらだらしているとあせるのだけれど・・・・ジャガイモの皮むきが何かの仕事になるとも思えないわけで・・・そんなことを考えているうちに日は過ぎていくけれど。
いつも思うのは、仕事をしなくちゃ、ともかく仕事をなのです。

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