歯をくいしばる

どうも近頃、歯をくいしばる、なんて言葉は聞かなくなった。若い人にとっては死語かもしれないね。歯をくいしばって物事に立ち向かう。なんてことが、どちらかというと私は好きで。つい最近、子どもの、運動大会のようなことがあった、近所の中学で、何キロか学年別で走るわけだが、うちの子供は、どうも、物足りない。というか、なめてるんじゃないかと思い、腹がたってきた。帰ってきた二人を呼んで、少し厳しく言った。下の子は、足が速く、本気でやれば、1位であったと、見ていたお母さんに言われた、結果は4位。手を抜いていたのか問うと、少し真剣に、作戦の失敗だったといった。ゆっくり走って、最後に抜こうと考えて、失敗だったといった。負けて泣いている子もいた。うちの子はあっけらかんである。最初から全力でいかないから駄目だったと教え、次は作戦は考えたほうがいいと言った。上の子は、まったく、やる気のない、つまり最初から、勝負のことなど考えていない走りっぷり。「なんだあの走りは!なめてるのか!」と相当叱った。泣き出して、やりたくなかった、というようなことを言う。そんな走りっぷりは見たくないと私は思い、伝えたのだ。どうせ負けるんだったら、適当に、と言うように感じて腹が立ったのだ。歯をくいしばって、全力でやって、結局負けた。というようなのが、まあ、なんとなく理想のように思うのだが、笑って、周りに手など振ってる奴を見ていると、腹がたってくるのだ、そんなものは見たくもないのだが、上の息子はその中の一人だった。中には野心満々で懸命に走ってる奴もいるのにだ。その中に入ろうとしないのは、どうも、やっぱり小ざかしいのだ。小利口といってもいいかもしれない。母は私に怒られている子どもに後から、納得したのか聞いていたようだが、わかったようだった。まあ、私の気持ちを彼に伝えたと言うことだった。
歯をくいしばって、食らい付くなんてのは、どうも、現代的とはいえないし、合理的とも思わないが、なんだか無理して食らい付いているほうが、私には好もしいのだからしかたがない。最近は学校などで若い学生と付き合うことも多い。歯なんか、くいしばりもしないし、そんなもの見せるのは、やっぱりうっとうしいのかもしれないが、うっとうしいことをやらなければならない一瞬がやってくることだってあるのだ。てなこと言ってると、うっとうしい奴だと、若い奴らに、嫌われそうだが、好かれたからってどうということもないので、嫌われもののじじいでいようとは、近頃思うのです。春近し。「べっかんこおに・おにヒメサマ」の稽古が始まりました。今回はあえて年齢層の高い布陣です。さねとうあきら氏の語りの世界を演劇的に身体化できればと考えて、あえて、年齢層高いのですよ。
年齢とは関係のない演劇という世界の面白さを追求しようなどと考えています。お楽しみに。

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