2003 年 10 月 11 日 (土)

今日は三軒茶屋の祭です。正確には太子堂の祭。この、祭が子供の頃からどんなに楽しみだった事か。秋になれば、指折り数えて待つのです。祭が始まると、見 せ物小屋に大締め(人を丸く集めてインチキ臭いものを売るわけです。例えばレントゲン望遠鏡とかね、洋服を通して裸に見える。私買いました)バナナの叩き 売りなんてのがあって、今は残念ながらそのどれもありません。数年前まで、飴細工のおじさんが出ていて、時々口を利いたりしていたのですが、何年か前その おじさんが姿を消しました。違う人がいて「あれ?いつもの人はどうしたの?」と聞くと、複雑な表情。「病気?」「いや、ム所暮らしだよ」「何やったの?」 「それは言えないけど、しばらくは出てこれないなあ」なんて会話を交わしたのが2年前だったか・・今年は別の飴細工のおじさんも姿を消しました。飴細工な んて本当に文化勲章をあげてもいいくらいの職人技・・以前ご一緒させてもらった中村嘉津雄さんが「文化勲章なんて物はこつ、こつ仕事をしている工場の職人 のような人にやんなきゃなあ・・」と呟いていたのを思い出します。私は十代の頃テキヤをやっていた経験があります。友人の父親がテキヤのもと締めだったと いうこともあって・・まあアルバイトですね。でも、その経験のおかげで、金魚掬いはめっぽううまいのです。アゲチカ、スイチカ、セルメン、何て隠語も覚え て、いっぱしのテキヤ気取りでした、それを見た同級生はヤクザになったと思ったでしょうね・・まあ、ヤクザもヤクシャもザとシャの違いですが・・それにし ても、祭はいいです。それも、人工的にでっち上げたような祭ではなくて昔からあったような、テキヤや怪しい人がうろうろするような祭。芝居も怪しさや、危 なさが無くなると鼻持ちならなくなります。気をつけて怪しい芝居を創りたいなあ、と今日思ってしまったわけです。

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