こだわらない

私はよく、こだわらないと言われる。相当怒っても、すぐに忘れる。こだわらない。というか執着しないというか・・。私の美点であり欠点でもある。
営業などの仕事では、それはよいほうに作用する。いつまでもこだわっていると、営業という仕事はできないと思っている。昔、飛び込みの営業などやると、とにかく成績がいい。
こだわらないので、断られたりしても尾を引かない。で、人もそうだと思っていると大間違いで、嫌なことや、何かをされたことは相当に覚えている。
私は、喧嘩したり、相当なことをされたと人が思っていることも忘れる。まあ、成育歴かなと思ったりする。連れ子だった私に母は父に気を遣い、母はいつも父を向いていた。
小さなときに、母親にこだわることができないと悟ったような気がするのだ。そう考えるとやや可哀想な気もするが、無意識のうちにそうなったと思うので、そんなに苦しい事でもなかったような気もする。近頃、劇団で女優さんに、誰かがこんなことを言っていた、とかなんとか、あまり愉快ではない噂を耳にするが、その噂の本人が芝居に出ていたことさえも忘れていたりする。
年を取って、呆けたというわけではない。まあ、そういうことだから変なこと言われるのよ、などとその女優さんが言った。妻は「イッコウさんはこだわらないから」とフォローのつもりで言ったが。
まあ、嫌われたりする一番の理由が、こだわりのなさなのかもしれなかった。極端な話、付き合っていた女、妻が浮気をし私から金をだまし取ったとしても、それはそれで、しょうがないのではないだろうかと思ってしまう。冷たいということでもない。愛情はあって、もの凄く好きだったりしても、・・・・どういうわけだかわからないが、あっという間に忘れる自信がある。別に今までの人生でそのようなことをされたというわけでもないのだが・・・精神科などで分析すればきっと、それはこれこれでと理由もつくのだろう。
今やっている芝居に自閉症の問題が含まれていて、脳の障害などの問題を時折意識するので、自分自身の特性というか特殊なところを見つめてみて思い当ったことだった。
さて、今年もおしまい。もっと激しくこだわりを持って、いやいや、芝居には相当にこだわっているのですよ。今までの人生のほとんどを芝居中心にしてきたわけで、だから他のことはどうでもいいという神経になってしまうのかもしれない、と考えると、やっぱり病気か。明日は今年最後の「べっかんこおに」南谷朝子と歌で少しだけ競演します。いい女優さんですね。さっぱりしているのがいい。自分をしっかり持っているところがいい。案外いないんですよそういう人は。何かにぶら下がっている人は多いですがね。
というわけで、今年もすぎます。年明け19日~「潤二郎さんとの白い一日」自信のある作品です。お見逃しなく。

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